診療案内

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日常生活の中で起こりうる、感じうるようなことを
きっかけにクリニックを受診され、そこで脳の病気なり怪我が判明することも少なくありません。
すこしでも異変を感じたら、すぐに受診ください。

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しびれ・脱力/脳卒中

予防のための生活習慣の見直しと定期的な検査を受けましょう

手足のしびれ、しびれからくる脱力というのも比較的よくみられる症状なので、ついつい軽視しがちです。 しかし手足のしびれや脱力は、ときに重篤な病気の前触れ、例えば脳梗塞、脳出血、くも膜下出血(脳卒中)などです。
脳卒中は日本人の死因の第4位と上位で、さらに寝たきりの原因の第1位です。
脳卒中は、ある日突然起こり、さらに発症すれば亡くなったり寝たきりになるかもしれないというとても危険な病気です。 従って、脳卒中を知り、予防のために生活習慣の予防や治療、また脳の状態を把握しておくことも重要です。
また、しびれと一口に言いましても、感覚の鈍麻や痛みである場合、脱力感(運動麻痺)である場合、痙性(筋肉がつっぱる)である場合もあり、タイプはいろいろあります。
予防のために生活習慣の予防や治療、また脳の状態を把握しておくことも重要です。

Causes of numbness in the limbs手足のしびれの原因

特に気をつけなければならないのは、脳卒中によるしびれで、突然症状が出現することが特徴です。
この場合は一刻もはやく専門医を受診する必要があります。

感覚障害

一般的に「しびれ」というと手足がジンジンするといった、長時間正座したあとのような症状を思い浮かべる方が多いかもしれません。
患者さんの訴える「しびれ」にはいろいろな症状が含まれています。
例えば、正座した後のジンジンするようないつもと違う感覚が続いている「しびれ」や、手足の感覚が鈍くいつもと触った感じ方が違う「しびれ」、 冷たい・温かいなどの温度や痛みが分かりにくくなっている「しびれ」です。

運動障害

これは「運動障害」で、運動神経の障害が疑われます。
感覚神経や運動神経の障害の原因は、「脳」や「脊髄」といった中枢神経から、脊髄から分岐した後の「末梢神経」に至るまでの様々な部分の障害で起こり得ます。
しびれの種類やその部位や出方について詳しく診察することで、障害の部分を推定することができ、必要な場合は「MRI」を用いた精密検査を行います。
こんな症状でお悩みではないですか?
正座した後のようなジンジンとしたしびれが続く
手先足先がジンジン、ピリピリする
左右にしびれがある
しびれや痛みで歩きにくい
脳や脊髄の病気の後からしびれが続いている
手足の力が入らない

しびれ外来の診療の流れ

しびれが徐々に広がっている、ひどくなっている、治らないという方は、お気軽にご相談ください。
特に、突然行った場合は、脳卒中などの時間勝負の病気である可能性もあるので、速やかに受診してください。
また、さらに専門的な検査や治療が必要な場合は、基幹病院への紹介・連携も速やかに行ってまいります。

神経診察

神経の専門医が、脳・脊髄・末梢神経を系統立てて診察します。障害の部位から、障害の受けた神経の部位を推定します。

画像検査

神経診察の結果、脳や脊髄が原因である可能性がある場合、MRIを用いた検査を行います。脳卒中や脊椎症、脊髄炎などのしびれの原因を画像で確認できます。当院ではMRIを完備しており、当日の検査・説明も可能です。

血液検査

内科的な異常(糖尿病やアルコール性、ビタミン欠乏)などが疑われる場合は血液検査を行います。

しびれの原因と症例

脳が原因によるしびれ

脳が原因がある場合、通常は左右どちらかのしびれです。手足のしびれに加えて、顔や唇のしびれを伴うこともあります。
またしびれに加えてしゃべりにくさや飲み込みにくさ、めまいなども伴っている場合もあります。
特に急に生じた片側のしびれや口も周りのしびれの場合は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中である可能性があり、治療を急ぎます。
速やかに病院を受診しましょう。

症例

例:脳梗塞、脳出血、脳動脈解離(脳動脈解離)、脳腫瘍、脳炎、多発性硬化症、三叉神経痛

脊髄(脊椎)が原因によるしびれ

背骨とその中を通る脊髄の病気で生じるしびれです。徐々にしびれが出てくる場合や急にしびれを自覚することもあります。
脊髄(脊椎)のしびれの場合は、分節性(脊髄から分かれた感覚神経が支配する皮膚の領域)があり、診察によって障害の部位を推定することができます。
上肢のしびれを伴う場合は、頚椎(首)が原因の可能性があります。
頚椎の場合は、上肢の症状に加えて、体幹や下半身のしびれ・歩行障害・尿や便が出にくい(膀胱直腸障害)を伴う場合もあります。
下肢のしびれを伴う場合は、腰椎(腰)の病気の可能性があります。
下肢は両側しびれの場合や歩行障害・尿や便が出にくい(膀胱直腸障害)を伴う場合もあります。

症例

頚椎が原因の例:頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚部脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症、頸髄腫瘍、脊髄梗塞、多発性硬化症、脊髄炎など

腰椎が原因の例:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、圧迫骨折、脊髄梗塞など

末梢神経が原因によるしびれ

手先や足先からはじまる痺れは、多発単神経障害・多発神経障害と呼ばれます。
原因は様々で、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)などの免疫気候に伴うものや、 ビタミン欠乏・糖尿病、アルコール、 膠原病などに伴う血管炎などから二次的に末梢神経がダメージを受けて生じる場合もあります。
また、神経が圧迫されるされることによって、その圧迫された神経の領域に痺れがみられます。絞扼性神経障害と呼ばれます。

症例

例:ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、糖尿病、ビタミン欠乏、アルコール、家族性アミロイドポリニューロパチー、中毒性(重金属、農薬、有機溶剤など)、薬剤性

Characteristics and types of stroke脳卒中の特徴と種類

  • 脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり、詰まったりすることで脳がダメージをうけて、様々な症状を引き起こす病気で、その多くは突然起こります。
    種類として大きく分けて、血管が詰まる脳梗塞と血管が破ける脳出血・くも膜下出血に分類されます。
    脳卒中になると様々な神経の症状(神経症状)が起こります。脳卒中の場合は、神経症状のほとんどは突然起こるのが特徴です。
    脳卒中のうち、脳梗塞と脳出血は突発する神経症状が特徴で、神経症状として、例えば、半身の手や足の脱力感やしびれ感(じんじんしたり、感じにくくなる)、 言語の問題(舌が回らない=構音障害、言葉がでない=失語症)、見え方の障害(視野が欠けて見える=半盲、物が二重に見える=複視)、 めまいやふらつき(=平衡感覚障害)などなど、ダメージをうけた脳が本来担っていた役割に応じた症状が突然起こります。
    くも膜下出血は突発する激しい頭痛が特徴で、よく『これまで経験したことがない激しい頭痛』と表現されます。
    また意識がなくなったり、吐いたりすることもあり、場合によっては神経症状も伴います。

脳梗塞

脳梗塞とは脳の血管が詰まり、その先に血液が遅れないことで脳細胞がダメージをうけてしまう病気です。
脳梗塞は脳卒中のうち約7割を占め、突発する神経症状が特徴で、半身の手や足の脱力感やしびれ感(じんじんしたり、感じにくくなる)、言語の問題(舌が回らない=構音障害、言葉がでない=失語症)、 見え方の障害(視野が欠けて見える=半盲、物が二重に見える=複視)、めまいやふらつき(=平衡感覚障害)に至るまで様々です。
多くの場合は、発症前に前触れはありませんが、時として、一時的な神経症状が出現する場合があります。これを“一過性脳虚血発作”と呼び、脳の血管が詰まりかけている危険信号です。
脳梗塞は、脳や脳血管の状態を把握することで発症のリスクをある程度予測できます。
発症予防のためには動脈硬化の原因となる生活習慣病の管理が重要です。

治療について

脳梗塞は発症から早期であれば血管を通す治療(再開通療法)を受けることで症状が軽くなったり、またはよくなる可能性が残されています。
具体的には発症から4時間半以内であればt-PA静注療法という注射で行う治療、発症から8時間以内であれば経皮的血栓回収療法というカテーテル治療が受けられる可能性があります。
さらに治療後の脳梗塞の症状を改善するために早期からのリハビリテーションも重要です。
また、脳梗塞後の再発予防として抗血栓療法と呼ばれる内服治療や生活習慣の管理を継続して行います。

脳出血

脳出血とは、脳血管のうち、主に穿通枝と呼ばれる脳の細い血管が破綻し、出血した部分が脳の中で血腫を形成して脳を圧迫し、脳の細胞が破壊される病気です。
脳細胞が破壊されると、元に戻ることはありません。脳卒中の2割を占め、主に手足のしびれや麻痺、意識障害などがあらわれます。ある日突然生じる病気で、前触れはありません。
脳出血の最大の危険因子は高血圧です。日本では高血圧管理が進んだことで、以前よりも脳出血は減少しました。
生活習慣病の中でも高血圧の管理が、脳出血発症予防のために最も重要です。 脳出血の診断はCTで十分に可能ですが、中には脳の血管の奇形や、脳腫瘍などが脳出血の原因になることもあります。
このような場合はMRIで事前に脳の状態を把握することが予防につながる可能性もあります。

治療について

脳出血の場合は、発症すると血腫によって圧迫され破壊された脳細胞は元に戻ることはありません。
脳出血では、発症から時間が経つことで出血した部分が広がり症状がだんだん重くなるため、早期に診断し、可能な限り出血した部分が広がらないように血圧を下げる治療が行われます。
また溜まった血腫を取り除く手術を行う場合もあります。脳出血後の再発予防としては、高血圧の管理のための内服治療や生活習慣病の管理が重要です。

くも膜下出血

くも膜下出血とは、くも膜下腔と呼ばれる脳の表面の空間に出血する病気です。特徴として、急にハンマーで殴られたような激しい頭痛がおきます。
出血量が多い場合は意識がなくなったり、手足の脱力が生じたりします。
くも膜下出血は脳卒中の中の1割ですが、発症者のうち1/3は死亡、1/3は後遺症を残し要介護状態となる怖い病気です。
くも膜下出血の8割は脳血管のこぶ(動脈瘤)が破裂することで発症します。例え動脈瘤があっても破裂するまでは症状はありません。
くも膜下出血は、その発症前に脳血管の検査を行うことで、原因となる血管病変を発見できますので、発症を予防することが可能です。

治療について

くも膜下出血を発症後に動脈瘤の再破裂や血管の異常収縮をおこして急激に症状が悪くなることを防ぐため、発症後に動脈瘤に対する手術が行われます。
頭の骨をはずして動脈瘤自体を金属のクリップで止めるクリッピング手術とカテーテルで動脈瘤の内部を金属のコイルで充填するコイル塞栓術があります。
また、破裂する前の動脈瘤については、その大きさや場所、形などの様々な要素を加味して破裂のリスクを評価して、 必要時は破裂する前の動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)にクリッピング術やコイル塞栓術を行う場合もあります。

脳卒中を知る(一過性脳虚血発作とFAST)

脳卒中の代表的な神経症状を知り、ある日突然、このような症状を自覚した場合や一時的でも症状があった場合は、
ささいな症状でも放っておかずにすぐに病院を受診することが重要です。
また脳卒中の最大の危険因子は、生活習慣病です。
生活習慣病には、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが含まれ、血管危険因子と呼ばれています。
脳卒中予防のためには、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の予防と治療が重要です。
当院では、生活習慣病の管理や治療も積極的に行っています。
内服治療だけでなく、食生活習慣、運動習慣を見直すことも発症・進行予防に大切な要素です。

脳卒中の症状

  • 片麻痺(半身が動かなくなる)
  • 感覚障害(半身の感覚、特に温度の感覚や痛みの感覚が鈍くなる)
  • 言語障害(ろれつが回らない、言葉が出ない、言葉が理解できない)
  • ふらつきやめまい(まっすぐ歩けなくなる)
  • 意識障害
  • 視野障害(視野の半分が見えなくなる)

脳卒中の代表的な神経症状を知り、ある日突然、このような症状を自覚した場合や一時的でも症状があった場合は、ささいな症状でも放っておかずにすぐに病院を受診することが重要です。

FAST(ファスト)について

神経症状があるか、簡単に確認できる方法として『FAST(ファスト)』があります。
『 FAST』のFは「Face=顔の麻痺」、Aは「Arm=腕の麻痺」、Sは「Speech=言葉の障害」を指し、それぞれの頭文字を組み合わせたものです。
最後のTが「Time」のことで症状が起こった時間(発症時間)を確認しようというものです。
3つの症状のいずれか一つでもあれば、発症時刻を確認して、一刻もはやく(つまりFAST=急いで)で病院を受診することが推奨されています。
3つの症状の確認方法はいずれも簡単にその場でできるものです。

一過性脳虚血発作

一過性脳虚血発作は血管が詰まりかけているサイン(危険信号)であり、一過性脳虚血発作を起こすと3ヶ月以内に6人に1人が本物の脳梗塞を起こし、その半数が48時間以内に起こすと言われています。
これは詰まりかけた血管がまた通り改善するためによくなります。持続する時間はさまざまで数分でよくなることもあれば、1時間以上続くこともあります。
本物の脳梗塞の前触れであり、この時点で病院を受診し、治療を開始することで、脳梗塞を免れる可能性もあります。

脳卒中予防の検査について

MRI検査

MRIによる脳と脳血管の検査を行うことで、脳卒中のリスクをある程度評価するができます。
MRIは体内に金属が入っている人の一部や、安静を保てない方では行えませんが、多くの人にとって簡単で安全に脳の状態を把握することができます。
またMRIではMRAとよばれる脳血管を3D画像で見ることもでき、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤などの早期発見も可能です。

頚部血管エコー検査

頚部に体の表面から超音波を当てることで、非侵襲的に頚部の血管の状態や動脈硬化の状態を把握することができます。
脳梗塞の原因となる頚動脈狭窄症などの評価が可能で、治療につながる可能性もあります。

心臓超音波検査・24時間心電図(ホルター)検査

脳梗塞の原因の一つに心臓の中にできた血の塊(血栓)が脳の血管に詰まることで発症するものがあります。
心臓超音波検査で心臓の動きや心臓の血栓の有無を確認できます。
また心臓の血栓ができる原因となる心房細動と呼ばれる不整脈は24時間心電図をモニターすることでより発見できる可能性が高まります。
当院では脳卒中の予防に力を入れており、これらすべての検査が可能な体制を整えております。

脳卒中が疑われる場合

当院では、診療時間内にはMRIやCT検査を常に行える体制を整備しています。
脳卒中が疑われる場合には、当日、しかも迅速に検査を行い、診断を行います。
脳卒中の診断が確定し、入院治療が必要と判断した際は、直ちに連携基幹病院の脳卒中センターへ紹介し、
迅速に治療開始していただける体制を整えています。

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